皆さん、こんにちは!「子ども未来教育研究所」みらいTです。
「失敗は成功のもと」などという言葉を例に出さずとも、子どもにとって失敗することはとても大事なことです。
しかし、私たち大人は、子ども可愛さのあまり先回りして、子どもが失敗しないように手を貸してしまいがちです。
失敗しても、自らの手で、自らの足で、そして自らの頭で、立ち上がる力を身に付けさせることが親の役目ではないでしょうか?
1 「エスキモーと火」
皆さんは、「エスキモーと火」のたとえ話をご存じでしょうか?
エスキモーが生きていくために大切なもののひとつに「火」があります。
祖先から受け継いだ「火」を絶やすことなく次の世代に渡していくことを、とても大切なことと考えているのです。
その「大切さ」と「怖さ」を教えるために、エスキモーはこんな「考え」をもっているのです。
それは、エスキモーの赤ちゃんが火に向かってハイハイしていったとき、決して「危ない!」と止めることをしないそうです。
心を鬼にして、じっとその姿を見守っているのです。
すると赤ちゃんはメラメラと燃える火に寄っていって、手を出すのです。
もちろん、「熱い!!」です。
手を引っ込めます。
泣き叫んで、そして、火傷をします。
エスキモーの親は心を鬼にして、この様子を眺めているのです。
そして、このように思うのです、「これでいいのだ!」
エスキモーの赤ちゃんは、この体験を通すことで、二度とむやみに火に寄っていくことがなくなります。
「小さな失敗」「小さな危険」の体験が子どもを成長させることをエスキモーは知っているのです。
もちろん、エスキモーのお母さんだって、自分の大切な赤ちゃんがハイハイして火に近寄っていく姿を平然と見ているわけではないはずです。
「助けたい」「守ってあげたい」そんな気持ちをぐっとこらえて、心を鬼にしているのだと思います。
そのことが、この子の「生きる力」になると信じているのだと思うのです。
2 「小さな失敗」「小さな危険」の体験が子どもを成長させる!
エスキモーの例のように「小さな失敗」「小さな危険」を体験することの大切さは、誰もが頭では理解できるはずです。
しかし、実際はどうでしょう?
自分の子どもが目の前で何か失敗しそうなとき、危険なことに出会いそうなとき、多くの親はとっさに先回りして失敗や危険を回避しようとするのではないでしょうか?
「親心」として、十分に理解できる話です。
ただ、そんな「小さな失敗」や「小さな危険」をずっと親が回避し続けた子どもが、大人になったときのことを想像してください。
社会人になり、ちょっとしたミスを同僚に注意されたり、また上司に叱られたりしたときのことを考えると、少し恐ろしくなります。
だからこそ、小さいうちから「失敗」や「危うさ」を体験しておくことで、自らの手で、自らの足で、そして自らの頭で、立ち上がる力を身に付けさせることが大切なのではないでしょうか?
3 「小さな失敗」「小さな危険」とは?
エスキモーの例のように、火に近づくというのは、現代の子にはあまり経験することのない事例です。
では、「小さな失敗」とか「小さな危険」とは、どんなことでしょうか?
遊びを覚えた子どもたちは、遊びの中で「挑戦すること」を覚えます。
親にとっては、おそらく「子どもの挑戦しようとする姿」は、嬉しい限りだと思うのです。
当然、挑戦しようとすればするほど、失敗も増えるし、危険も増えるものです。
そんなときに「取り返しのつく失敗」や「取り返しのつく危険」を経験させることが親の使命ではないでしょうか?
そこには、「取り返しのつかない失敗」や「取り返しのつかない危険」を回避するための親の役目があることを忘れてはいけません。
それが「子どもを見守る力」であり、「子どもを信じる力」ではないでしょうか?
「命にかかわること」や「人の心をないがしろにする言動」そして「人に危害を加える行為」、このようなことに対しては、親として毅然な態度が必要であることは言うまでもありません。