皆さん、こんにちは!子ども未来教育研究所 みらいTです。
「子どもの言葉に耳を傾ける」と同様に、「子どもを信じる」というのは、親としてあたりまえだという声が聞こえてきそうです。
「子どもを信じる」というは、「子どもの言葉をそのまま信じる」ということでは、決してありません。
ポイント
なぜなら、子どもは経験が少ないのです。
なぜなら、子どもは未熟なのです。
だから、子どもの言葉のウラに潜んでいる「子どもの真の思い」を信じてあげることが必要です。
例えば、子どもが「学校へ行きたくない」、それは何かの訴えかもしれません。
子どもが「学校へ行きたくない」ウラの心を読み取る必要があるのです。
例えば、子どもが「勉強したくない」、そこにも「今日は勉強したくない気分」なのか、それとも「勉強に対する何か悩み」があるのか?
そんなことを親として、信じてあげることが必要なのではないでしょうか?
1 「6年生のお兄ちゃんにかばんを引っ張られた!」
私が小学校に勤めていた時に、こんな経験があります。
夕方、小学校1年生のA子ちゃんのお母さんから電話がありました。
その内容は、「雨降りの学校帰りに6年生の男の子にかばんを引っ張られ倒され、びしょびしょになって泣きながら帰って来た」という怒りの電話でした。
翌日、1年生のA子ちゃんと該当と思われる6年生の子どもたちに話を聞きました。
子どもたちから聞いた内容は、ほぼ同じものでした。
それは、こんな内容です。
学校帰りの信号待ちで、1年生数人が水たまりで足をばしゃばしょさせていました。
A子ちゃんはばしゃばしゃしながら、信号が赤であるにもかかわらず、少し車道に出てしまったそうです。
そのことに気がついた後ろにいた6年生が、「あぶない」と言い、後ろからかばんを押さえました。
その瞬間、A子ちゃんはバランスを崩し、倒れてしまい服を濡らしてしまいました。
「大丈夫?大丈夫?」と、そばにいた6年生が集まってきました。
多くの6年生に囲まれながら手をつないでもらったA子ちゃんは、そのまま信号を渡り、そして6年生は家の前までA子ちゃんを送り届けました。
「もう大丈夫?」と声をかけ、A子ちゃんも「はい」とうなずいて、家に帰っていきました。
なんと、素敵な6年生たちなのでしょう!
ところがそのA子ちゃんは、家に入る直前に自分の服が汚れていることを思い出し、泣きながら家の中に入っていきました。
服を汚して泣きながら帰ってきたA子ちゃんに対してお母さんは、驚きの様子を隠さず「どうしたの?」と問いかけます。
それに対してA子ちゃんの答えは「6年生のお兄ちゃんにかばんを引っ張られ倒された」というものでした。
お母さんは、その瞬間にかっとなり、学校へ電話をしたというわけです。
2 「子どもはとても未熟です!」
子どもはとても未熟です。
ですから、あった出来事を上手に説明することができません。
決して嘘をつこうと思っていなくても、結果的に事実と異なることを話してしまうことがあるものです。
今回のA子ちゃがお母さんに話した言葉は、決して嘘ではなかったかもしれませんが、言葉足らずだったのでしょう。
子どもはとても未熟です。
ですから、時には自分の都合の悪いことを隠して嘘をついてしまうことがあります。
こんなことは、私たち大人の世界でもあることです。
自分の都合の悪いことを隠すために、話を大げさに盛ってみたり、またちょっとした嘘をついてもみたり・・・。
もしかしてA子ちゃんも服を汚してしまったことをお母さんに叱られないように、6年生のせいにしてしまったのかもしれません。
3 「子どもを信じるということ」
子どもを信じるということは、決して子どもの言葉を鵜呑みにすることではありません。
子どもの言っていることが正しいのかどうか、確認をしたり、他の人に聞いたりすることが大切です。
時には、先生に相談したり、聞いてみたりすることも必要です。
また、「嘘」に対する親の態度も大事です。
子どもが都合よく言った言葉を見抜く力が親には必要です。
ポイント
「なぜ、嘘を言ったのか?」
「子どもの本心はどこにあるのか?」
「何を求めているのか?」
言葉のウラにある子どものこんな思いに共感してあげることが親には求められているのです。
4 まとめ
「子どもを信じる」とは、子どもの言葉を鵜呑みにすることでは決してありません。
子どもは未熟だから、たくさんの失敗をします。
時には、悪さもするかもしれません。
嘘をつくときだってあるかもしれないのです。
それでも、この子はこの子、うちの子はうちの子。
無限の可能性があるのです。
これから先、素晴らしいところだっていっぱいいっぱい身に付けてくれるはずです。
これからの人生をより良く生きていってほしいと親なら誰もが願うはずです。
そんなことを「信じてあげる」ことこそが、「親が子を信じる」ということではないでしょうか?
親子の信頼関係こそが、子どもに笑顔をもたらすものだと信じています。