コミュニケーション力は、一般的にはビジネス用語であり、他者との関わりの中で発揮される力とされています。
私は、この力は子どもの成長に特化した形で親が身に付けるべき要素と考えています。
そう考えた時、単に「コミュニケーション力」ということではなく、『共感的コミュニケーション力』(以下、共感的コミュ力)という言葉がぴったりと当てはまると考えました。
「共感」とは、相手を思いやることです。
「共感」とは、相手の感情を自分事として感じることです。
「共感」とは、相手の思いを受け止めることです。
これらの「相手」を「子」に置き換えて、どのように話すか、どのように伝えるか、そしてどのように聞き取るか、これが「共感的コミュ力」です。
そして、子どもを成長させる具体的な方法として、「5つの共感的コミュ力」を提案したいと思います。
1 「あいさつ」の文化を家庭に根付かせる!
教育・保育に携わる多くの人が「あいさつ」の重要性を話します。
しかし、私は大人の「あいさつをしなさい」という指導の結果として、「あいさつのできる子」になったという事例はほとんど知りません。
100回の「あいさつをしなさい」という言葉より、1回の「おはよう」「いただきます」「さようなら」「おやすみなさい」といった親の一言が「あいさつ」の文化を家庭に根付かせることになると思うのです。
そして、その「あいさつ」こそが「笑顔の子育て」に直結する一つのスパイスの役割を担っているのです。
2 「ありがとう」「ごめんなさい」を家庭に根付かせる!
斎藤孝先生の『よくできました!~こどもルールブック~』という絵本の一つ目のルールは「ありがとうをくちぐせにする」とあります。
二つ目のルールは、「ごめんなさいをすなおにいう」とあります。
「ありがとう」や「ごめんなさい」は、「あいさつ」同様、人と人との心を繋げる潤滑油の役目をするものです。
「ありがとう」「ごめんなさい」の言葉が、親の口ぐせになることで、子どもたちの笑顔を作り出していきます。
3 子どもの言葉に耳を傾ける!
「子どもの言葉に耳を傾ける」のは、あたりまえのことです。
しかし、「聞く」ではなく、「聴く」をイメージしてください。
「子どもの言葉を傾聴する」とは、目を見て、うなづきながら、子どもが口にした言葉だけでなくそのウラにある子どもの「思い」にまで、耳を傾けてください。
きっと親の思いも届き、子どもに笑顔が生まれてくるはずです。
4 子どもを信じる!
「子どもの言葉に耳を傾ける」と同様に、「子どもを信じる」というのは、親としてあたりまえだという声が聞こえてきそうです。
「子どもを信じる」というのは、「子どもの言葉をそのまま信じる」ということでは、決してありません。
なぜなら、子どもは経験が少ないのです。
なぜなら、子どもは未熟なんです。
だから、子どもの言葉のウラに潜んでいる「子どもの真の思い」を信じてあげることが必要なのです。
それが、親に必要な「子どもを信じる」ことであり、子どもに笑顔をもたらす「信頼関係」ではないでしょうか?
5 失敗させる勇気を持つ!
「失敗は成功のもと」などという言葉を例に出さずとも、子どもにとって失敗することは、とても大事なことです。
しかし、私たち大人は、子どもの可愛さのあまり先回りして、子どもが失敗しないように手を貸してしまいがちです。
失敗しても、自らの手で、自らの足で、そして自らの頭で、立ち上がる力を身に付けることが親の役目ではないでしょうか?
まとめ
5つの「共感的コミュ力」を親が身に付けることにより、子どもたちの笑顔が一層輝くことは間違いのないことです。
しかし、これら「共感的コミュ力」は、まだまだ奥の深いものです。
5つの「共感的コミュ力」を一層深掘りしていく必要がありそうです。