皆さん、こんにちは!子ども未来教育研究所所長 miraiT です。
皆さんは、「地頭(じあたま)がいい」という言葉を聞いたことがありますか?
では、「素頭(すあたま)がいい」という言葉はどうでしょう?
例えば、「頭がいい」と言われれば、誰もがピンとくる言葉だと思います。
「あの人は、頭がいい人だ」とか「あの子は本当に頭のいい子だね」という言葉はイメージが沸きます。
「本当にそうだよね」などという言葉も気軽に答えることができます。
ところが、「あの人は、地頭がいい人だ」「あの子、素頭いいね」と言われても何かピンとこないというのが、現実ではないでしょうか?
「地頭がいいとは、どんなこと?」
「頭がいい人」と言われれば、おそらく誰もが学校の成績のいい人、テストの点数がいい人を思い浮かべると思います。
では、「地頭がいい人」というのはどんな定義でしょうか?
一般的には、「テストで測ることのできない能力」「本来の頭のよさ」と言われています。
あれっ?それってどこかで聞いたことはありませんか?
そうです、『子どもが伸びる「非認知能力」って何ですか?』に登場した「非認知能力」の定義です。
まだ、読んでいない方は、ぜひご一読を!https://miraiblog.com/ninchi0415/
とすれば、「地頭がいい人」とは、イコールではないものの「非認知能力を身に付けている人」という考え方に近いことがわかります。
「素頭がいいとは、どんなこと?」
おそらく、「地頭」以上に、耳にすることがないのが「素頭」だと思います。
「素手」や「素足」という言葉と比較しながら考えるとわかりやすいと思います。
「素手」は、手に何も持っていない状態のことをいいます。
ゲーム好きの方はご存じだと思いますが、RPGなどで最初は「素手」で戦っていた主人公が成長にするに従い、様々な武器や防具・アイテムを付けて強くなっていきます。
「素足」も同様で、足に靴や靴下を履いていない状態のことをいいます。
サンダルやスニーカーでは速く長くは走れませんが、自分にぴったりのランニングシューズを履くことによって、速く長く走れるようになります。
世の中には様々な「受験」があります。
どんな受験であろうと、その受験のための準備をしない人はいないと思います。
もっともわかりやすい準備は、過去問ではないでしょうか?
過去問を解くことにより、その受験に対する傾向と対策を学びます。
言わば、テクニックのようなものを身に付けることになるのです。
過去問をたくさん問いて、テクニックを身に付け受験に合格しました。
「おめでとう、頑張ったね。頭いいなぁ」という言うかもしれませんが、おそらく「おめでとう、頑張ったね、素頭いいなぁ」とは言わないと思います。
そう考えると、「素頭」の正体が見えてくるような気がしませんか?
つまり、「素頭」とは、様々な武器やアイテム、そしてテクニック等を身に付ける前の、元々その人、その子に備わっている力、といったような能力になるのです。
「どうしたら素頭を成長させることができるだろうか?」
私は、「幼小時代(幼児期小学校期)」の親との「インプット・アウトプット」が「子どもの素頭を成長させる」と考えています。
つまり、親が子どもに向けて発した様々な言葉や行動、絵本を読んであげたり、図鑑を買ってあげたり・・・。これを子どもにとっての「インプット」とします。
そして、そのことに対する子ども自身の言葉や行動、本を読みたいとか、図鑑で調べたいとか・・・。これが子どもにとっての「アウトプット」です。
このインプット・アウトプットのすべては、親と子の「言葉の力」を介して表現されていきます。
「地頭」「素頭」の基礎・基本は、親と子の「言葉の力」である!
小学校1年生を担任していた時にこんな経験をしました。
休み時間の出来事です。
一人の子が私のところにやってきて、黙って消しゴムを差し出しました。
1年生「・・・」(消しゴムを見せながら)
私「〇〇ちゃん、どうしたの?」
1年生「消しゴム」
私「うん、消しゴムだね。これ、どうしたの?」
1年生「落ちてた」
私「そっかぁ、消しゴムが落ちてたから、拾って先生のところに持ってきてくれたってことね」
1年生「うん」
もちろんこの後、私からは、次からは落ちてた消しゴムを拾って届けに来たことを伝えるよう言葉をかけました。
親子の言葉のキャッチボール、コミュニケーション、そしてインプット・アウトプットが子どもの「地頭」「素頭」を鍛え、笑顔を創り上げていくのだと思うのです。