書評

絵本『なまえのないねこ』たった一文で大切な人との絆を教えてくれる

皆さん、こんにちは!「子ども未来教育研究所」みらいTです。

本日紹介する絵本『なまえのないねこ』は、一匹の猫を主人公として、静かでありながら深い感動をもたらす作品です。

本作は2019年に小峰書店から出版され、絵本としては異例ともいえる注目を集め、多くの絵本賞を受賞しています。

登場する猫たちの表情や町の風景の描写が非常に細やかで、絵の力と物語のメッセージが見事に調和している絵本と言えます。

1 基本情報

・題名:『なまえのないねこ』

・作:竹下 文子

・絵:町田 尚子

・出版社:小峰書店

・発売日:2019年4月

・定価:本体1,500円+税

2 どんな内容の絵本?

ネタバレは極力避けて、内容を紹介します。

物語は、名前をもたない野良猫が、自らの「名前」を探すというシンプルな内容の絵本です。

街にはさまざまな猫たちが登場し、「レオ」や「げんた」と個性ある名前を持ち、人々とつながりながら暮らしています。

名前を持たない自分に寂しさを感じた猫は、自分の名前を探す旅にでます。

雨の降るある日、雨宿りをしていた猫は、一人の少女に出会います

その時、猫は・・・・・気づくのです!!

3 感動ポイント

この本が発売当時多くの注目を集め、そして多くの絵本大賞を受賞したのには、理由があります

それは、「雨の降るある日、雨宿りをしていた猫が、一人の少女に出会った」あの日です。

その時、猫は気づくのです。

その「たった一文の気づき」こそが、子どもたちはもちろんのこと、大人の読者の心にも深く訴えかけるものがあるのです。

「誰かとつながることの喜び」と「名前をもつことの意味」を、優しくそして確かな言葉と絵で語りかけてくれるのです。

4 まとめ

私が紹介する絵本は、私自身の選択に加えて、学生や幼稚園・学校・図書館司書の先生方、そして研究所に相談に来られる保護者の皆さんからの情報をもとに選んでいます。

今回紹介した絵本は、何度か子どもの相談を受けたあと、ある保護者の方から「先生、この本をぜひ読んでみてください」とすすめられた一冊です。

読んだ瞬間に心をつかまれ、たちまちお気に入りの絵本になりました。

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