皆さん、こんにちは!「子ども未来教育研究所」みらいTです。
本日の北海道歴史探訪「札幌市攻略ワザ3選」は、「クラークと博物館とすすきの」をテーマにして、札幌市を深掘りしていきたいと思います。
札幌の歴史は、北海道の歴史と言い換えることができます。
それまで、蝦夷地と呼ばれていた地域を「北海道」と名付けたのは江戸末期の探検家、松浦武四郎です。
明治2年に箱館戦争に勝利した明治新政府は、北方開拓を主業務とする「開拓使」を函館(箱館戦争後に「函館」と改称)に置き、その後札幌に移転しました。
ここからが、本当の意味での「北海道」と「札幌」の歴史が始まるのです。
1 札幌農学校(現在の北海道大学)とクラーク博士
明治9年に、日本最初の高等農業教育機関「札幌農学校(現北海道大学)」の初代教頭として、アメリカ・マサチューセッツ農科大学から招かれたクラーク博士。
自由・独立・人間尊重を基盤とし、「紳士たれ」を校則に掲げ、将来の北海道開拓の指導者を養成するために情熱を注ぎ、札幌農学校の基礎を作り上げました。
クラーク博士の銅像は、「羊ケ丘展望台(ひつじがおかてんぼうだい)」が有名です。
これは、彼が有名な言葉「Boys、be ambitious(少年よ、大志を抱け)」を残したことにちなみ、指差しのポーズをとっているのが特徴的です。

札幌羊ケ丘展望台
また、クラーク博士が札幌農学校の教育に携わったことを記念して北大構内にも胸像(上半身だけの像)があります。

北大構内 クラーク胸像
札幌市時計台はクラーク博士の構想により札幌農学校の演武場として建設されたことは知られています。
そして、この時計台の2階にも、クラーク博士の業績を称えた銅像があるのです。

時計台2階 クラーク像
実はクラーク像は、札幌市外にもあることは、あまり知られていません。
クラーク博士が来日した時、彼はマサチューセッツ農科大学の学長でした。
そのため、日本に長期間滞在することはかなわず、およそ8か月で帰国しなければなりませんでした。
8か月あまりの札幌滞在を終えたクラーク博士が、帰国の際に立ち寄った島松逓信所(北広島市)で、そこで教え子たちに残したのが「Boys、be ambitious」と言われています。

北広島市松島逓信所クラーク像
2 北海道博物館と北海道開拓の村からみる札幌と北海道
私たち子ども未来教育研究所は、地域を深掘りするため、その地域の博物館を探訪します。
その全道版がここ「北海道博物館」です。

「森のちゃれんが」北海道博物館
「森のちゃれんが」の愛称で親しまれている北海道博物館は、北海道開拓記念館と道立アイヌ民族文化研究センターを統合して2015年4月に開設されました。
館内は「自然の成り立ち」や「アイヌ文化」そして「現代の北海道」など、5つのテーマ展示があり、実物資料はもちろんのこと模型、ジオラマ、映像など子どもから大人まで学べる分かりやすい展示を展開しています。
北海道の過去から未来までを深く学べる北海道博物館は、自由研究や修学旅行等にもおすすめのスポットとなっています。
また、同じ敷地内には、北海道開拓の村があります。

北海道開拓の村
こちらは、明治・大正時代の北海道の開拓時代の暮らしや建物を再現した野外博物館です。
北海道各地から移築、復元された本物の歴史的建造物が数多く展示されており、まるでタイムスリップしたかのような気分で、開拓期の生活を体験することができました。
夏は鉄道馬車、冬は馬そりがのんびり走るなどのイベントや体験プログラムが充実しているのも特徴です。
3 今の札幌発展の礎はすすきのにあり
明治4年になって開拓使が札幌に置かれることになり、本格的な開拓と町づくりが始まりました。
当時、ロシアの南下政策を牽制するため、明治政府にとって北海道の開拓は急務でした。
ところが、札幌の開拓に従事したのは男ばかりで治安が悪く、厳しい冬の寒さに逃げ出す人もいたため、当初はなかなか開拓が進みませんでした。
そこで、官設の薄野遊郭を造設したところ、町はずれの遊郭を取り囲むようにして、町づくりが加速しました。
大正時代になり、市街地の発展に伴い白石村菊水地区に遊郭が移設されすすきのは一時衰退しますが、やがてカフェやバーなどの飲食店が立ち並ぶようになり、賑わいを取り戻していきました。
昭和40年代の高度経済成長期に本州企業の札幌進出などにより市街地が拡大、かつての遊郭エリアの北側にあった商店街の狸小路の発展とともに、ネオン輝く歓楽街として新たな道を歩み始めました。
なお、「すすきの」は正式な地名ではないためにエリアは漠然としており、正式な表記の決まりもないとのこと。
人によって思い描くエリアは異なりますが、すすきのが北日本最大の繁華街であることに変わりはありません。

すすきの繁華街
4 まとめ
整備計画から43年、多くの道民の悲願だった北海道新幹線は、2016年3月に新青森駅-新函館北斗駅間が開業しました。
これにより現在では、新函館北斗駅-東京駅間が最速4時間かからずに結ばれるようになりました。
整備新幹線は、函館、小樽を経由して札幌に至る路線で、2030年度末の完成をめざしていました。
しかし、最近の報道ではトンネル掘削に時間を要し、2038年度もしくはさらに延長されるとのこと。
札幌まで延伸されると、札幌駅-東京駅間が4時間30分程度で結ばれるようになります。
北海道そして札幌の発展は、新幹線と共に一層前進することに間違いありません。