皆さん、こんにちは!「子ども未来教育研究所」みらいTです。
今回紹介するのは、いぬいさえこさん著の「きみのそばに いるよ」です。
以前紹介した「きみのことが だいすき」と同様に可愛らしいイラストと優しいメッセージの数々から、究極の癒し絵本と言われている作品です。
1 基本情報
・題名:「きみのそばに いるよ」
・作と絵:いぬい さえこ
・発売日:2023年8月
・定価:本体1,400円+税
2 作品
以前の作品「きみのことが だいすき」では、身近な人たちがお互いに「だいすき」という表現で、愛したり、愛されたりすることの喜びを表現していました。
それに対して、「きみのそばに いるよ」では、誰もが感じることがある「辛いときや心細いとき」に、そっと寄り添ってくれるだけで優しさの共有になることを表現した作品です。
月の満ち欠けと共に描かれる、動物たちの可愛らしいイラストと優しい言葉の数々に心が洗われる思います。
3 心に響いた言葉
この絵本の中で、私の心に一番響いた言葉、それは「余白」という言葉。
「心にゆとりをもつ」とか「心に余裕をもって」というような意味でいぬいさんは使っているように思います。
その「余白」こそが、自分を守るし、相手を守ることになるのです。
そして、それは自分のまわりの身近な人ばかりではなく、遠い地で辛い気持ちでいる人や心細い思いをしている人たちへのエールにもなっていきます。
4 二作品の対比
「きみのことが だいすき」では、常に明るい色合いで森の中が表現されています。
ところが、「きみのそばに いるよ」では、一転して夜の森の中。
夜の森の暗さは、辛い気持ちや不安の象徴。
それでも、ネイビーブルーの夜の空は、なぜか暖かさを感じさせてくれます。
そして、その暗さを次から次へと形を変えるお月様が、動物たちを明るく照らしてくれています。
このように二つの作品の背景には大きな違いがありますが、その中で動物たちの口から発せられる言葉は、優しさに満ち溢れているものばかりなのです。
まとめ
できれば、この二冊の絵本を手元に置いてみてはいかがでしょうか?
大好きな子どもたち、大好きな人を愛おしいと思ったとき、「きみのことが だいすき」を手にとってください。
ちょっとした不安や心細いとき、「きみのそばに いるよ」を開いてみましょう。
大人も子どもも超忙しい時代です。
そんな時代だからこそ、時にはゆっくり立ち止まり「きみのことが だいすき」「きみのそばに いるよ」の「余白」に触れてみてはいかがでしょうか?