皆さん、こんにちは!「子ども未来教育研究所」miraiTです。
本日の絵本書評は、エリック=カールの「パパ、お月さまとって!」です。
エリック=カールといえば、「はらぺこ あおむし」が圧倒的に有名です。
その「はらぺこ あおむし」とは、一味も二味も違う名作が「パパ、お月さまとって!」なのです。
1 基本情報
・題名:「パパ、お月さまとって!」
・作者:エリック=カール
・訳:もり ひさし
・出版社:偕成社
・発売日:1986年11月
・定価:1,600円+税
2 あらすじ
あるばん、モニカは、夜空に輝くお月さまを見て、とても遊びたくなりました。
手を伸ばしてみますが、お月さまには届きません。
「パパ、お月さまとって!」
パパはなんと、長ーいはしごを持ってきました。
パパは、そのはしごを高ーい山に立てかけ、上へ上へとのぼっていきました。
そして、ついにお月さまにたどり着いたのです。
でも、お月さまは大きすぎて、このままでは持ち帰ることができません。
そこで、パパは、お月さまが少しずつ小さくなるのを待ちました。
ちょうどよい大きさになったところで、パパはお月さまを持ち帰り、モニカと一緒にたくさん遊びました。
しかし、お月さまはちいさくなりつづけ、最後は消えてしまいました。
それから、少したち、そらには、ぎんいろのお月さまがうかんでいました。
3 読後感 ~この絵本の魅力3選~
一つ目は、なんといっても「しかけ絵本」としてのすばらしさです。
ページからはみ出るくらいの長いはしごや、本の倍ほどの大きなお月さまなど、子どもの心をひきつけるようなさまざまなしかけがあちらこちらにちりばめられています。
二つ目は、なんとか娘の願いをかなえてあげたいというパパの姿です。
子の願いをかなえてあげたいという親の愛情は、万国共通なのだと考えてしまいます。
そして、三つ目は、長ーいはしごでどうするの?お月さまを持ち帰る?持ち帰ったお月さまはどうなる?といった子どもの豊かな想像力を何度も何度も刺激してくれます。
パパやモニカと触れ合う主人公の「お月さま」が、とても幻想的に描かれている作品です。
4 作者紹介
エリック=カールといえば、「はらぺこ あおむし」が有名です。
ボードブックやビッグブッグ、そしてぬり絵やしかけ絵本など、様々な種類があるのが「はらぺこ あおむし」です。
そして、対照的に語られるこの「パパ、お月さまとって!」は、親子の愛情、子どもの豊かな想像力、そして月への憧れを描いた心温まる絵本として知られています。
エリック=カールは言います。
ポイント
「私は、子どもがはじめて家をはなれて学校へ行く時期に心をひかれます。子どもたちは、いったいどれほどの深い淵をこえなければならないことか。私は、私の本を、この深い淵にかける橋にしたいのです。」と。
私はこの絵本を通して、親子の間に会話が生まれ、創造力を磨き、そして笑顔が生まれてくるものと信じています。