皆さん、こんにちは!「子ども未来教育研究所」miraiTです。
二冊目の絵本書評は「ちょっとだけ」です。
1 基本情報
・題名:ちょっとだけ
・作者:瀧村有子(たきむら ゆうこ)
・絵:鈴木永子(すずき ながこ)
・出版社:福音館書店
・発売日:2005年4月1日
・定価: 本体 900円+税
2 あらすじ
「なっちゃんの おうちに あかちゃんが やってきました。
なっちゃんは おねえちゃんになりました。」
物語は、ここからスタートします。
赤ちゃんがやってきたことで、なっちゃんの生活も少しだけ変化しました。
お出かけのとき、いつもママと手を繋ぐのですが、赤ちゃんがいてできません。
喉が渇いたなっちゃん、いつもならママに牛乳を注いでもらっていますが、ママは赤ちゃんのお世話。
ママは赤ちゃんのお世話で忙しいので、なっちゃんは自分のことは自分で挑戦することにしました。
パジャマを自分で着たり、髪の毛を自分で結んだり・・・!
でも、やっぱりなっちゃんもママに甘えたいんです。
「ママ ちょっとだけ だっこして・・・」
3 読後感
リアル子育て研究所に来訪する方の中に、「お兄ちゃんなんだから」とか「お姉ちゃんなんだから」という言葉の相談がまれにあります。
この言葉は言ってはいけない、とわかっていても、ついつい赤ちゃんに手がかかってしまい、思わず言ってしまうということのようです。
「ママ ちょっとだけ だっこして・・・」の後のママとなっちゃんのやり取りがステキすぎます。
・なっちゃん「ママ ちょっとだけ だっこして・・・」
・ママ「ちょっとだけ?」
・なっちゃん「うん ちょっとだけでいいから」
・ママ「ちょっとだけじゃなくて いっぱい だっこしたいんですけど いいですか?」
・なっちゃん「いいですよ!」
この親子のやり取りに誰もが感動します。
親の愛情、そして子どもの愛情が伝わる秀作だと思います。
4 作者紹介
作者のお二人は、実はこの作品が初めての絵本とのことです。
最初の絵本づくりでこのような作品に仕上げるとは驚きでいっぱいです。
子育てをしているすべての大人の皆さんにぜひ一読をお願いしたい作品だと思います。