書評

絵本書評「おこだでませんように」

2024-06-22

絵本書評「おこだでませんように」

皆さん、こんにちは!「子ども未来研究所」miraiTです。

本日の書評は絵本「おこだでませんように」です。

第一回の絵本書評にふさわしい名作絵本です。

1 基本情報

・題名:「おこだでませんように」

・作者:くすのき しげのり

・絵:石井聖岳(いしい きよたか)

・出版社:小学館

・発売日:2008年7月2日

・定価:本体1,500円+税

2 あらすじ

「ぼくは いつも おこられる。

いえでも がっこうでも・・・。

きのうも おこられたし、

きょうも おこられてる。

きっと あしたも おこられるやろ・・・。」

こんな言葉で始まる「おこだでませんように」

言葉の意味は「おこられませんように」

小学校一年生の主人公「ぼく」は、なにごともうまくいかなくて、

家でも学校でも、おかあちゃんや先生に叱られてばかりの毎日。

7月7日の七夕の日に、一生懸命考えて書いたお願いが「おこだでませんように」

その短冊を見た先生が・・・、涙がとまりませんでした。

そして、「ぼく」への「ごめんね」という言葉。

その日の夜、先生からおかあちゃんへの電話があり・・・、おかあちゃんも涙が止まりません。

そして、先生と同じように「ぼく」への「ごめんね」の言葉。

ふとんに入った「ぼく」はこんなことを思いました。

「たなばたさま ありがとう。

ほんまに ありがとう。

きょう、ぼくは ものすごく しあわせです。

おれいに ぼく もっと ええこに なります。」

3 読後感

私のリアル子育て研究所に来る方々の相談内容は様々です。

一通りの話が終わり、いつも最後に私から提案する言葉があります。

「たまに、ゆっくり絵本でも読んでみませんか?

何冊か興味のありそうな絵本を用意してゆっくり時間をかけて読んでもらいます。

すると、この「おこだでませんように」を選んだ多くの方々が、皆、最後に涙します。

そして、読後感を聞いてみます。

子どもの気持ちを考えていなかった

子どもに素直にごめんねと言える大人にならなければ

といったものがほとんどです。

本当にその通りだと思います。

わかっているようで、わかっていない子どもの気持ち、思い

大人の子どもに対する素直な「ごめんね」という言葉

今一度子どもに寄り添った子育てが必要と思わせてくれる絵本なのだと感じました。

4 まとめ

作者あとがきの最後に次のような文があります。

どの子の心の中にも、このお話の「ぼく」のような「おこだでませんように」という思いがあるのです。

うか、私たち大人こそが、とらわれのない素直なまなざしをもち、子どもたちの心の中にある祈りのような思いに気づくことができますように。

この言葉が、私たち大人への最大のメッセージだと考えます。

大人自らが素直さと誠実さをもち、子育てに取り組んでいくことで、親子に笑顔が生まれてくるものだと信じています。

 

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