皆さん、こんにちは!「子ども未来教育研究所」miraiTです。
子育てを経験したことのある大人なら、一度は発したことのある言葉「勉強しなさい」
しかし、その言葉にはほとんど効果がないことを私たち大人の多くは知っています。
どうしたらうちの子、勉強するようになるのだろうか?
思わず「勉強しろ」と言ってしまうが、全然効果がないのはなぜ?
自分の部屋に入って何をしているのかがわからない?
ゲームばかりやって困ってしまう!
私自身も二人の子どもを育ててきて、「勉強しなさい」という言葉で、勉強するようになったり、成績が上がったりということを経験することはありませんでした。
時には強い口調で「勉強しろ」と言ってしまい、何度も反省することがありました。
しかし、小学校の教員から大学での幼児教育の学びを通して、幼児期からどのような体験を通すことで、子ども自らが学びの姿勢をもてるようになるかを考えることができました。
本記事では、私がたくさんの子どもたち、そして保護者と接する中で見つけた「勉強しろ」という言葉を使わずに勉強する4つの方法を紹介したいと思います。
1 「うちの子ちっとも勉強しないけど、どうすれば自分から勉強するようになるの?」
学生との学びの中で、「人はなぜ勉強するのか?」という問いにどう答えるかを話題にすることがあります。
私の答えは一択です。
「それは、人生を楽しく豊かに生きるためです」
とはいえ、親や先生から「勉強しなさい」という言葉を言われて「はい」と素直に答えて勉強する子はどれだけいるでしょうか?
というより、まわりの大人から言われれば言われるほど、「やりたくない」というのが子どもの本音だと思います。
おそらく、多くの大人が子ども時代に、そういう思いをもったことがあるはずです。
しかし、私たち大人は、勉強によって「得したこと」「やってよかったと思ったこと」「楽しかったこと」「学びが人生のプラスになったこと」も知っているはず。
とすれば、勉強は役に立つこと、身に付けばとってもおもしろいこと、これからの人生が楽しくなることを折に触れ話して聞かせるということが大切です。
「今、勉強してほしいとき」にではなく、日常生活の中で勉強が役に立った事例や、おもしろかった学びの経験内容を子どもたちに伝えてください。
そして、時には仕事で疲れ切った体にムチを打ちながらも、学びの姿勢を子どもたちに見せてあげましょう。
それを受けた形で子どもが勉強する姿勢を見せたタイミングで、「おっ、やる気でたね!」「いい姿勢だ~!」褒め言葉を逃さず一言伝えておきましょう。
2 「自分の部屋で何をやっているかがわからなくて不安?」
子どもの勉強環境を考えることも大切です。
「子ども部屋がないから勉強に集中できない」という子がいます。
「勉強すると言って部屋に入ったが何をやっているかわからない?」という親がいます。
「勉強=子ども部屋」という考え方は一旦忘れましょう。
実は、テレビの音が鳴っているリビングや、家族の声がわいわい聞こえるテーブルの方が子どもにとってはずっと勉強に集中できることがあるのです。
そのことを親自身がしっかりと把握した上で集中力が途切れないよう環境を整えてあげることも必要です。
あわせて、勉強時間の目安として「学年×10分」とか「学年×15分」とかが言われることがあります。
これはあくまでも目安と考えてください。
「区切り勉強」や「途中でおやつタイム」など、強弱のある学びスタイルをそれぞれの家庭で構築してほしいと思います。
3 「日常的に勉強に向かわせる声掛けってどんな風にすればいいの?」
私が小学校4年生を担任していた時、Kくんという男の子がいました。
教科書の単元事の漢字小テストで毎回100点を取るような頑張り屋の子どもです。
全14回の最後の小テストでも100点を取ったので、私はKくんにありったけの賞賛の言葉を投げかけました。
しかし、K君には笑顔一つなく、嬉しそうなそぶりも見せませんでした。
不思議に思った私は、放課後Kくんにそのことを聞いてみました。
すると、Kくんから思いもかけない言葉が返ってきました。
「先生は、100点を取ったことは褒めてくれたけど、毎日毎日このテストのために勉強をし続けたことについては、一言も声をかけてくれなかった」
私はこの言葉に衝撃を受けました。
今から数十年も前の話ですが、その時のことは鮮明に覚えています。
結果そのものより、日常の頑張りを褒めて欲しかったというのがKくんの主張であり、私たち大人がすべき声掛けなんだということを思い知らされた出来事でした。
【参考】「たて褒め」と「よこ褒め」
4 「ゲームばっかりやってゲームを取り上げるとすぐ怒ってしまう!」
私が小学校に勤務するようになった頃、いわゆるテレビゲームが大ヒットしました。
当時は「ゲーム=勉強にとっては悪」という風潮がありました。
しかし、今の時代は違います。
スマホゲームも含めて、ゲームとどう向き合うかが親に求められています。
というのも、ゲームの中には様々なメリットがあることが専門家から指摘されています。
例えば、ゲームの内容によって、創造力や思考力を養ったり、また立体の認知能力を高めたりといった具合です。
とはいえ、親としてはデメリットもあり、心配な気持ちになることもよくわかります。
例えば、長時間のやり過ぎ、暴力的なシーン、課金ゲームなど、親にしてみれば心配事が絶えないと思います。
一番大切なことは、メリットデメリットを親自身が理解し、それを子どもと共有することではないでしょうか。
そして、可能な限り親の目の届く範囲でゲームをやるということにしてはどうでしょう。
皆さんは、「カリギュラ効果」という心理学用語をご存じでしょうか?
例えば、「勉強しなさい」と言えば言うほどやる気がなくなる、「ゲームはだめ」と言えば言うほどやりたくなるといった現象です。
とすれば、思い切って家族みんなでゲームをする時間を取ることや、宿題や手伝いの後にゆっくりゲームをしよう、などという取り組みも必要なのかもしれません。
まとめ
なぜ勉強が必要かを問われると、その多くが「学歴は必要」という考え方が根底にある思います。
もちろん、その考え方を否定するつもりはありません。
ただ、「高い学歴=豊かな人生を送ることができる」と考えた時、今の時代は少し違うように思うのは、私だけではないと思います。
今「人生100年時代」が叫ばれ、いくつになっても生涯現役、学び続ける人こそが「賢い人」であり、豊かな人生を送ることができる人だと思います。
子どもを「賢い人」にするために、私たち大人ひとりひとりが「賢い人」になり、子どもたちが私たちを追い越す「賢い人」になることをめざしましょう。
そのことが、必ずや子どもたちの笑顔を創り上げていくことになると思います。